歌手の桑名正博さんが7月15日未明、ご自宅で倒れられて意識不明の重体であるというニュースを見ました。
以前、私は大阪の上六界隈に住んでいたのですが(地元なんです)、そのマンションの向かい側の高級マンションに桑名正博さんが住まわれていると噂を聞いていました。その姿を一度も見たことはないので本当かどうかは知りませんが、そんなこんなで(どんなや...)関西の顔として桑名さんには親近感がありました。
あと、ぐっさんのモノマネが印象的で、桑名さんの独特な歌い方を少しオーバーにした感じが非常に面白くて、自分でもついついモノマネをしてしまいます。正確には桑名さんをマネる、ぐっさんのマネなわけですが。。。
そんな桑名さんのニュースを知った夜から数日経った頃、新たな情報が飛び込んで来ました。なんでも、「脳幹出血で倒れる4日前に、テレビの収録で耳鳴りがゴーンゴーンとして耳鼻科で診てもらったら、耳クソをキレイに掃除してもらってスッキリした」という情報がありました。(参照:スポニチhttp://www.sponichi.co.jp/
entertainment/news/2012/07/21/kiji/K20120721003722580.html)
ムムム...と感じました。
これを見て思ったことは、「耳鳴りは脳の血管性の病気が原因である」と印象を受ける人が非常に増えるのではないだろかということを感じました。つまり神経質に捉えがちな方の場合、耳鳴りを感じただけで「脳の病気だ」として不安にさいなまれないだろうかと心配になります。その不安感が余計に耳鳴りのエサになってしまうことが多々ありますからね。
もちろん、そんなの関係ないから無視しろとは言いません。
おかしいなと感じたら速やかに耳鼻科に行って診察をしてもらいましょう。さらに正確な検査を望むなら、紹介状などを書いてもらって脳神経科に行くのも良いかもしれません。
ただ、多くの耳鳴りにお悩みの方とコンタクトを取ってきて、脳の病気が原因でしたという明確な答えが出た人は、未だにお会いしたことがないんですよね。その理由も何となく想像出来るのですが、もし脳の病気が原因していたとしたら、耳鳴りだけではすまないだろうなと思うわけです。
例えば今回のように重篤なご病状にいる桑名さんの場合でも、血管が破裂して初めて倒れるわけです。破裂前には必ず動脈瘤は存在しているとは限りませんが、仮に破裂前の動脈瘤があったとして、それが何かしらの神経を圧迫していたと仮定しましょう。それで症状が出るか?といえば、あまり考えられないようです。
もし「圧迫している」と言えるほどの圧迫があり神経を阻害していた場合、脳の場合で言うと、まず脳圧がかかりますからガンガンに頭痛が起こるでしょうね。
それは体の痛みとして現れるだけでなく、思考や言語、感覚器官にも影響してきますから、「耳鳴りだけ」と一筋縄にはいかないのかもしれません。
癌でもそうなんですよね。気づいた頃には「末期です」というのが本来の状態のようです。つまり、行き着くところまで行かないことには「症状は出ない」という場合が多いようなのです。
しかし、科学が発展したので「早期発見」という名目で、命を脅かす存在なのかどうかも判別できない状態で「癌です」と宣告して治療が始まります。そして苦痛との戦いが始まるわけです。苦痛って治療によって生まれたりするんですよね。
知らなければ長く闘病するまでもなくポックリいってたかもしれないし、知らない間に治癒して何事もなく過ごしていたかも知れない。
だけど、知ることによって、精神的なプレッシャーと共に治療という名のもと、「敵」との戦いが始まるわけです。戦いは苦しみを生みますから簡単にはいきません。
私の祖母は92歳という大往生だったのですが、デッカイ癌を抱えながら、最後はスヤスヤと眠るように旅立っていきました。それも、癌で死んだのではなく完全な老衰でした。癌が発覚したのは食べ物が喉を通らず嘔吐し、一日で顔がむくんでからです。
それまでは普通で、多少だるいのかな?程度で元気だったのですが、突然そんなことになったので医者嫌いでしたが強引に連れて行って診てもらったところ、胃の出口に大っきい癌が通り道を塞いでいて、食べたものが下に流れなくなっていたのでした。
つまり、そんなになっても癌の苦痛は全く無く、「それ」があったから食事が流れなくなったという症状が出ただけで、癌そのものの痛みは何も無いんですよね。
それで取りあえず治療と呼べる治療は「ステント」という管を広げる道具を入れるだけにしました。癌は残したまま、塞がっているところを通してあげた。本人には癌だと言うことを内緒にしました。
もういつお迎えが来ても良いと言っていましたから、癌がどうたら言うことよりも、何の苦痛もないなら自然体に過ごしましょう、と。
それで最後はみんなに見守られながら眠るように旅立ちました。
話しが脱線してしまいましたが、脳の中に出血を起こす血管があって、「それ」が原因で耳鳴りが発生しているとしたら、「耳クソを掃除してもらったら、スッキリスキスキ」とはいかないというわけです。
「それ」を取り除かない限りスッキリはしないでしょう。仮にそれでもスッキリできるとしましょう。その理由はこうなりますよね。「原因は取り除けてないけど、気分的に掃除してもらって楽になったからスッキリしたのでは?」となりますよね。
だとしたら尚更、耳鳴りは意識的な部分が原因していて、「それ」と「これ」とは別物になっていきますよね。
ようは、耳鳴りを感じていた人が脳出血を起こしたということであって、肩こりを感じていた人が脳出血を起こしたというのと変わらないというわけです。つまり、それを原因だ、前兆だと過度に意識しすぎると、あれもこれも前兆でシグナルだと考えざるを得ないことだらけになりますよ、ということです。
これを事前に発見しなかった医者がヤブだ!と言うと、お医者さんは本当に可哀想だと思います。何が起こるかなんて、そうそうわかることは無いんです。
それが行きすぎてしまうことによって、現代社会と医学の現状を見ればわかるように、あれも病気・これも病気と沢山の原因不明病を言葉巧みに作り出して、予防予防という言葉ばかりが一人歩きし、私たちは少しの症状で将来の大病という妄想に怯えるようになるわけです。
変だな?と思ったら、病院で診てもらうことは全然かまわない。
でも妄想ばかりを膨らませて、異常なしって所見で出ているのに、あれも病気これも病気で自分自身を病気の塊にしてしまうのは、自らで慢性症状の罠にはめられている場合もあるということを知っていると、何かと深くはまり過ぎなくて良いのではないでしょうか。
平成24年10月26日【追記】
7月15日から意識不明となっていた桑名正博さんですが、10月26日午後、入院先の病院で息を引き取られたそうです。脳幹出血から100日以上、意識の無いまま命を繋いでこられました。脳幹出血という病気からすれば、ある意味奇跡的な生命力だったそうです。
これからも桑名さんのロック魂は、みんなの心で生き続けることと思います。
ご冥福をお祈り致します。
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