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耳鼻科と補聴器メーカーが提携して、高額な補聴器を買わせるということをよく聞きます。聴力が一般的な数値よりも低ければ、補聴器をすすめる医師も多いようです。
とくに高齢の方になると、すぐにそういった斡旋が入る傾向にあるのかもしれません。しかも、片側の耳だけが聞こえ悪くても、バランスのためと言って、左右両方の補聴器を買わせようとする場合もあります。
片側だけでも何十万としますから、両方となるとバカになりません。
しまいには、耳鳴りの症状に対しても補聴器をすすめる場合もあります。
補聴器は聴力を補うことを目的にしているのであって、基本的に耳鳴りを治したり音を誤魔化す役には立ちません。
補聴器にまつわる矛盾点やおかしな現状も、こうして書き記すといろいろと見えてくるのではないでしょうか。
ちなみに、補聴器は聞こえにくさを補うことはあっても、補聴器で聴力が回復することはありません。
その逆に、補聴器によって、回復する可能性のあった聴力までも、ますます低下してしまうリスクの方が高いことをご存じでしたでしょうか?
補聴器を常用するようになって、ますます本来の聞こえは悪くなったという人は多いです。それは丁度、足腰の弱くなったお年寄りが杖を使うようになって、ますます杖無しでは歩けなくなるのと似ているかもしれません。
杖に自分本来のチカラのかけ方が奪われますから、ますます足腰は弱くなり手放せなくなります。
補聴器も同じで、聞こうとする能力を補聴器から入ってくる音量に頼りますから、自分から聞きにいくよりも常に受け身で身構えた方向に能力を使うようになります。
それが当たり前になってくると、聞こうとする能力は衰退していきますから、ますます補聴器を手放せなくなり、音量は上げざるをえない一方となります。
また、補聴器の使用がとくに厄介なのは、入力の刺激が極端にキツイことがあげられます。
杖の場合は、自分から体を預けなければその機能を成しません。しかし、補聴器の場合は、耳に装着しているだけで、どんどん音が拡大されて耳の中に進入してきます。
想像してみて下さい。
あなたの耳が健常な状態だとして、耳元で「ワァー!!」と大きい声を出された場合、身を縮めて耳を塞ぎたくなりますよね。
補聴器から入ってくる音というのは、通常に発生している音を、拡大して耳に入れますので、耳の組織は常に緊張した状態になり、その機能は萎縮していくことになります。
心は音を捉えたいという思い。しかし脳は、外部から侵入してくる極端な音量から身を守ろうとする働き、この両方の狭間の中で体は常に緊張状態に陥ります。
治癒力を高めて、根本から聞こえを取り戻し、耳鳴りを克服する方法
ここで1つ、難聴に陥るポイントを見ていくと、解決の突破口が見えてくるかもしれません。
まず、難聴とひとことで言っても、「聞こえが悪い」「聞こえにくい」ことだけが症状の始まりではありません。
実は、「なにを言っているか理解出来ない」という状態に陥っている人も多いのです。これ非常に興味のあることだと思いませんか。
実際に最近難聴になり始めた方なら、共感することも多いかもしれません。
最初、「音は聞こえているんだけど、何を言っているか理解しにくい」ということで耳鼻科などで診察してもらうのですが、そのときに難聴のレッテルを貼られてしまうわけです。
しかし、よくよく考えてみれば「聞こえが悪い」のではなくて、言葉を認識する理解力に何らかの不調が出ていることがわかると思います。
それはつまり、聞こえなくて「え? え?」と聞き返しているわけではなくて、理解し、判断する能力に何らかのトラブルが発生しているために、端から見れば聞こえの悪い人と写っているだけなのかもしれません。
今まで当院で難聴を訴える方のご相談を聞いて来て、かなりの人が、初期の段階でこのような状態から始まっている傾向にあるようなのです。
それなのに、難聴としてうやむやにただ単に大きな音量を耳に入れ込もうとすれば、耳の緊張が助長されてますます悪循環に陥ることでしょう。
もう少し冷静にみて、理解力が乏しくなっているということは、「思考の空回り」「考え過ぎ」という場合、こうした状態に陥りやすいです。ストレスやプレッシャーの生活が続くと、頭の中は考え事だらけになります。
すると、目の前のことよりも、自分の頭の中で色々とおしゃべりが始まりますので、心ここにあらずな状態になって、目の前のことを判断出来なくなったりします。
精神不安や焦りなどの感情の起伏も、またこうした理解力のパニックを引き起こす場合も考えられます。
以上のことから、聞こえにくい状態を闇雲に難聴として決めつけてかからないことも、回復の可能性を広げていく上ではとても大切なことだと思います。
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