本文へスキップ

命は自己犠牲によって支えられている

症状の原因と治療を考察する

心身調律グループ

専門家コラム横山俊之 医師

はてなブックマークに追加 Clip to Evernote 

風邪・インフルエンザ予防 >口内炎・手足口病 >風邪治療の落とし穴 >対応能力から学ぶ
子育ち親育ち


風邪の治療の落とし穴


【感染免疫の立場から】
風邪の症状に当てはめてみますと、くしゃみ・鼻水・咳は、空気の通路から病原体を追い出す免疫反応。嘔吐・下痢は消化管から病原体を追い出す免疫反応です。
発熱は、気道や消化管で増えすぎた病原体が血液へ侵入しないように防ぐ免疫反応です。

これ、すべて「病原体を追い出すための、根治療法としての免疫反応」です。
自分自身のカラダ自らが生み出す最高の治療法です。

逆に風邪薬は、病原体を追い出すこうした自然の免疫反応を邪魔していることになります。


物凄く極端に言うと、くしゃみ・鼻水止めは、副鼻腔炎や中耳炎を引き起こし、咳止めは気管支炎・肺炎を誘発し、吐き気止めは、胃が処理していない病原体を無防備な腸に流し込んで腸炎を誘導し、下痢止めは、腸内に病原体を貯めて、腸炎を増悪させ、解熱剤は、病原体を血液に侵入させ、中枢神経感染症のリスクを高めます。

ここで
「空気と接触しているところは全て体の外」」
「空気と接触していないところが体の中」

と定義すると、

口の中、胃の中、腸の中、と言っても、空気と接触しているので、全て「体の外」になります。厳密な意味での「体の中」は「血管内」です。血管内に病原体が入れば、血流に乗って全身に拡大します。

体の免疫反応の第一段階は病原体を体の「外」に保つ、あるいは除外すろことです。
くしゃみ、鼻水、咳、嘔吐、下痢は、第一段階の免疫反応です。

そして、体の免疫反応の第二段階では病原体の体の「外」から「中」への侵入を防ぎます。発熱は、この第二段階に限って出現します。

したがって、発熱は、どんなに軽くても、最高レベルの警戒警報に相当します。
可及的に病原体が過剰増殖している部位を特定して、処置しなければなりません。

実際は、仕事、学校、受験、競技会、等々、やむを得ず、薬で症状を無理やり抑え付けざるを得ない場合もあります。しかし、解熱剤等で事なきを得た経験を過信することはできません。


私たちの生命は「自己犠牲」によって支えられている


体の免疫に余裕があれば大事に至りませんが、乳幼児や高齢者など、免疫に余裕があまりない場合、一気に、病原体を増やして重症化する危険が潜んでいます。
薬で症状をとる、楽になる、その代償は結構大きいものになります。すなわち、体の免疫系に病原体の過剰な負担を掛けて不必要な自己犠牲を強いてしまいます。

日常的に、病原体の侵入を受けている気道や消化管の粘膜組織は、くしゃみ、鼻水、咳、嘔吐、下痢で懸命に応戦して、病原体を完全に「体の外」に「土俵の外」に「寄り切ろう」「押し出そう」最悪でも「うっちゃろう」と頑張っています。しかし、風邪薬にことごとく邪魔されて、病原体まみれにされ、死んで行きます。

特に、流行が近づいているインフルエンザでは、ウイルスの増殖が激しいので気道や消化管などの粘膜細胞は高率に感染を受けます。

一旦、感染を受けた細胞は、周囲の未感染細胞に感染が及ばないように、自己誘発的に、あるいは、細胞障害性T細胞の介錯を受けて、自害して行きます(アポトーシス)。特に、消化管の粘膜細胞は、たとえ、風邪症状がない時でも、1週間にその1/3が入れ替わっています。

これは自己犠牲と云わざるを得ません。

私たちの命は、私たちを構成している無数の名もない細胞の命の自己犠牲の上に成り立っています。そして、その自己犠牲を少なくすることが私たちの役目です。


「自分の体を大切にする、労わる」


その感染免疫学的基本は『病原体の負荷を最小限にとどめる』ことに尽きます。

必要最小限の自己犠牲は止むを得ませんが、不必要な自己犠牲は間違いで、自分の体を、そして命を疎かにしていることになります。

安易に薬に頼って、一見、楽になることで、薬に依存してしまうと病原体の負荷を増やすと同時に、自己犠牲も増やし、体の免疫の本来の大切な働きに気づくのがますます難しくなってしまいます。

インフルエンザに対する抗ウイルス剤が開発されたのは進歩ではありますが、「とにかく治ればそれで良い」と薬に依存してしまい、体の本来の免疫を見直して改善保全する機会を失わせている現状は不幸と云えます。

実際、感染したインフルエンザウイルスの大部分を処理しているのは、薬ではなく、体の免疫です。

あくまで『病原体の侵入を最小限に、病原体の排泄を最大限に』そのために、風邪にかかって慌てるのではなく日常的に、鼻炎副鼻腔炎の予防、便秘の予防に努めることが大切と思われます。

はてなブックマークに追加 Clip to Evernote 

操南ファミリークリニック
■この記事の作者
医)操南ファミリークリニック横山俊之 院長
医学博士/日本小児科学会専門医/日本小児感染症学会会員
日本臨床ウイルス学会会員/国際サイトカイン会議会員


風邪・インフルエンザ予防 >口内炎・手足口病 >風邪治療の落とし穴 >対応能力から学ぶ
子育ち親育ち


当サイトでは各分野でご活躍の専門家に、よりコアな情報やメッセージをお伺いし、皆様にお届けしています。一般的にはなかなか入ってこない情報、専門家だからこそ私たちでは気づかない核心を突いた価値ある情報が含まれているのではないでしょうか。どうぞ皆様のご健康に繋がればと思います。(管理者:山下)


耳鳴り改善【読む薬】



サイト管理人耳鳴りやすらぐ

耳鳴りやすらぐ読む薬-改善Web講座を運営しております山下です。

このサイトは15年以上にわたり、耳鳴りの原因とその解決方法を追求してきた管理人オリジナルの情報サイトです。

1万名以上の耳鳴りに悩むクライアントを通じて、解明されてきたポイントをありのままお伝えしています。運営企業


耳鳴り症状 音と種類/耳鳴りの原因/耳鳴りの治療、治療法/頭鳴り・脳鳴り/耳詰まり・耳がこもる/聴覚過敏/自律神経失調症/自声強聴/頭内爆発音症候群/突発性難聴/メニエール病/耳鼻科・耳鼻咽喉科/うつ病・鬱/耳管開放症/耳鳴りの薬、付き合い方/ステロイド 耳鳴り治療/睡眠薬・睡眠導入剤/肩こり/不眠・不眠症/小耳症/交通事故・むち打ち/顎関節症/耳鳴り専門/体験談・感想/HPリンク


関西の医院・外来情報
上本町わたなべクリニック
〒543-0037
大阪市天王寺区上之宮町1-15
医師:渡邊章範
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
学校医

関東の医院・外来情報
山川耳鼻咽喉科医院
〒107-0061
東京都港区北青山2-7-21 青山アイアイビル3F
医師:山川卓也
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本気管食道学会認定医
日本耳鼻咽喉科学会代議員

高度管理医療機器販売
株式会社ラルゴコーポレーション
〒561-0853
大阪府豊中市服部南町1丁目7番20号
高度管理医療器等販売業・賃貸業
許可番号:4705号
医療機器修理業
許可番号:27BS200128


各地の耳鳴り専門院

兵庫・神戸

愛知・名古屋

沖縄・那覇

東京・国分寺

新大阪

神奈川県

滋賀県

骨伝導イヤホン



耳の閉塞感・耳鳴り解消法
無料レポートプレゼント

今すぐクリック!