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子育ち親育ち

症状の原因と治療を考察する

心身調律グループ

専門家コラム横山俊之 医師

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人は生理的早産で生まれる。その意味とは


育児、子育ては少子化の現代において大変重要なテーマです。
小児科医としての視点から述べてみたいと思います。

いろんな経験を積んで発達するという意味で、人生はこころの免疫を構築していく過程でもあると思います。


「ヒトは生理的早産で生まれる」

スイスの動物学者ポルトマンは「ヒトは生理的早産で生まれる」と述べました。早産で生まれるヒトの発育発達は、周囲(保護者、同胞、地域社会など)からの必要十分な援助が必要です。保育や育児のプロセスが重要です。

一方、ゾウは妊娠期間が二年間もあり、生まれてすぐに歩いています。ヒトが歩くのに生後1年はかかるので、ゾウの胎児は、相当長期間、母体と一緒にいることになります。確かに、野生の世界で、生後1年間歩けなければ、危険極まりないので、ゾウは、ヒトとは逆に、生理的過期産で生まれていると云えそうです。

「発達は、母と子の信頼関係から始まる」

生理的早産で生まれるヒトの発達の最初の一歩は、母親とのコミュニケーションを通じて信頼関係の確立が大切です。その基本はeye to eye contactで、母児が御互いの気持ち、気分、期待、欲求を読み取るアプローチです。

母親にとっては、本能に従って声をかける、動作や行動を加えるなど、乳児の欲求を試行錯誤で満たして行くプロセスですが、乳児の側でも、自分の発した声、仕草、動作によって、欲求を満たしてもらう体験を重ねることで、母親に対する信頼を確立し、さらに、働きかければ反応してもらえるという快感も得られ、同時に自信にも繋がります。また、外部に向かって働きかける積極性も育まれます。

生理的早産ゆえ、いきなり出来ることは限られていますが、周囲の手助けを得ながら、いろんなことに積極的に挑戦する意欲も現れます。その達成感が、さらに自信を生みます。やがて自立心、独立心も芽生えます。

初めての子供だからと過度に不安になっても、二番目の子供だからと過信してもいけません。一人一人個性は異なりますから、あくまでその現場で、最大限、乳児の欲求を読み取り、試行錯誤で出来るだけ欲求を満たすことを繰り返すことが必要です。

現代のように、育児経験者からのアドバイス等が得られにくい環境では、育児書を必死で読むこともありえますが、当事者たる親子に特化した答えが得られるわけではなく、あくまで参考意見と思うべきです。

母親が求める答えは、育児書にではなく、乳児とのeye to eye contactの中にあります。お互いに目を逸らしていては、いつまでも大切な信頼関係は得られません。


子育て子育ち、親育ち人育ち


「人見知り」
人見知りとは、母親との信頼関係が強化される過程で、母親以外の人を警戒する反応で、ほとんど例外なく見られます。母親との信頼関係が出来ても、第三者との信頼関係が出来るには、さらに時間がかかります。生後半年以降、1〜2歳くらいまで認められます。


「母児分離不安」
母児分離不安は、信頼関係の出来る過程にある親子が、時間的に空間的に離れる時に感じる不安です。妊娠中は子宮内という24時間穏やかな環境で一緒だった親子(母体と胎児)が、分娩後、大きな環境の変化を経て独立して生きてゆきますから、お互いに、特に乳幼児は不安を抱いて不思議はありません。唯一の解決策はお互いが出来るだけ、近づいていること、端的に言えば、母親が子供を抱っこしている状態が最も不安をなくします。

しかし、実際には、24時間抱っこというわけには行きません。お互いが離れ離れになる時間も増えてゆきます。このとき、「早く慣れさせようとして」意図的に離れたり、「抱き癖」が付くと称して、泣かれても見て見ぬ振りをするようなことを繰り返すと、「不自然な分離」のために、尚更、子供の不安はエスカレートして、何とか母親と一緒にいたいという極自然な欲求を満たすために、過剰な反応や行動を引き起こしてしまいます。

離れていても、姿は見えなくても、母親は必ず戻って来てくれると心の中で確信できるようになると、母児分離不安は次第になくなります。さらに、母児分離不安が克服されると、母児間の確かな信頼関係が成立し、安心して一人で過ごせるようになるので、自立心や独立心の確立も近づきます。

さて、実際、初期の母児分離不安が最も強く生じるのは入眠の時です。成人や大きい子供は何時間か寝たら目が覚めて親にも兄弟姉妹にも会えることを確信しているから眠れますが、乳幼児は違います。

乳幼児が眠気に襲われると、常に一緒にいたい母親から永遠に遠ざけられる感覚に襲われることは想像に難くありません。もう一生会えないかもしれないという気持ちに囚われているのです。不安や恐怖と戦うために、母親が一緒にいてくれることを求めて泣くのは当然です。このとき、無碍に一人で寝ることを期待されたりすれば、パニックに陥り、泣き方もさらに激しくなります。

最近も、1歳前後の双子の兄弟でしたが、寝る前に激しく泣いて、呼吸が止まる「泣き入りひきつけ」の状態を繰り返えしている事例がありました。やはり、抱っこしないで寝てくれることを期待して対応していたようです。双子から同時に抱っこを要求されても、物理的に難しいのは理解できますが、母親が本能に従って素直に反応すれば「抱っこ」以外ありえない場面です。ところが、近所の医師からは、「泣くのは仕方ないから、いざという時に備えて、人工呼吸を覚えておけ」と言われたそうです。

唖然とする言葉です。「抱き癖」という育児放棄を助長しかねない言葉を母親に聞かせるべきではありません。根本的原因に対する配慮が全くありません。無闇に泣いているわけではなく、寝入りばなの強い不安や恐怖を和らげてほしいと訴えているだけですから、母親も、交互でも良いから、抱っこして対応しなければ何も解決しません。このケースは幸い、母方祖母が近所にいたので、状況を説明してサポートを依頼しました。母親も泣いていましたが、その後、「泣き入りはひきつけ」はなくなりました。

このように、正当な欲求が受け入れられなければ、子供の欲求不満や不信感が高まり、欲求の表現はエスカレートします。さらに、通常の欲求まで、必要以上に過剰に訴えるようになる心配があります。「キレル」といわれる状況も、このような経緯から生じている事例があります。

せっかく築いた母親との信頼関係の存続も危ぶまれます。充足感や達成感が得られなければ、積極性も失われ、周囲への意欲的な働きかけも乏しくなります。母親も、もっと自分の本能を信じて、乳幼児の自然な欲求なら、ストレートに満たしてほしいと思います。

発育発達は決して一本調子には進展しません。むしろ、紆余曲折の道です。そこに育児の苦しみもあれば、楽しみ、喜びもあります。決して延々と続くわけではなく、振り返れば、一瞬のような時間ですから、正面から向き合ってほしいと思います。

さらに、そのまま、信頼関係が失われると、諦めて、母親に欲求もしなくなり、一見、おとなしい、良い子になる場合があります。しかし、抑うつは鬱積していて、体力でかなわない保護者に反抗しないだけで、中学生以降になって、怨念を晴らすように「家庭内暴力」が突然始まる事例もあります。


「反抗期」
反抗期も対応が難しい課題です。これは、むしろ親子関係がうまくいっていればいるほど目立つ傾向があります。基本に返りますが、生理的早産であるヒトは初めから何もかもできるわけではありません。しかし、母親との信頼関係を確立して自信、積極性、独立心を養い始めると、周囲の大人や同胞が出来ることを、自分でも一人でしたいという欲求が高まります。

しかし、実際にやってみると、一人では出来ない、しかし、手伝ってもらうのは嫌、どうしても一人でしたいが、出来ない、を繰り返すうちに、自己不全感を感じ始め、自分の目の前の克服できない課題に苛立つようになります。これが反抗期の本体と思われます。「放任でも過保護でもない」バランスの取れた育児は実際難しいものです。多くは時間の問題ですが、いつまでも続く気がして、親も子も、なかなか理解できません。

逆に、一旦、出来るようになった場合の達成感や自信の回復は大きいので、保護者は、過度には手を出さず、本人が許容できる範囲のサポートをしながら見守る姿勢が大切です。育児や保育のプロセスにおいて、保護者のサポートの量や質は刻々と変化していくもので、必要最小限の援助を与えながら、子供の自助努力を応援する立場を維持することが大切です。

さらに、どうしても一人でできないことが、二人なら、三人なら出来た時、楽しめた時、友情、協調、共同、チームといった三歳以上の子供の集団生活や共同生活において大切な発達課題に目覚めます。それまでは、原則として、一人遊びの時代です。

幼稚園は、「三歳以上の幼児」が就学前に集団生活を予備的に学習する場所です(文部科学省)。一方、保育園は、「就学前の乳幼児」を育てている保護者の就労を支援する施設です(厚生労働省)。いくら縦割り行政をなくすと云っても、「こども園」と称して、政府が目的も管轄も異なる保育園と幼稚園を統合しようとしていることには危惧を覚えます。


「子育てと子育ちと親育ち」
子育てと子育ちは、車の両輪のようなもので、どちらも必要と思われます。介助や介入という意味での子育ての立場は、初期の保育であればあるほど必要です。しかし、子供が発育発達を遂げれば、ある程度距離を置いて、子供の自主性や積極性を重視した子育ちの立場をとることも大切になってゆきます。

また、親と云えども、一度切の人生を歩んでいますから、一生経験ですし、学びは続きます。原則として、親は自分が育てられたように自分の子供を育てるという流れがあります。狭い限られた経験に基づいて子育てしているうちに、人間の多様性に気づかず、子供が予想外の反応や、想定外の育ち方をすれば、こんなはずではないと、焦り、困惑します。

とりわけ、自分の親から自分の自然な欲求を無碍に抑制された経験のある親であれば、自身の育てられ方を盲目的に正当化し、気をつけないと、自分の子供に「しつけ」と称する虐待を起こしかねない場面でもあります。

さらに、保護者自身が乳幼児期に「母児間分離不安」や「反抗期」に直面した際、その欲求や課題がうまく処理できていないまま通過したとすると、今度は、自分の子供が同じ欲求や課題に向き合う場面で、親自身も未解決の課題を再度突きつけられ、たじろいだり、どうして良いかわからなくなります。親は子育てを通じて、親としての、人としての資質を試されます。

この際、安易に問題を避けたり、適当に誤魔化したりせず、親自身、未解決のままになっていた課題と、あるいは自分の親と、心の中で、もう一度、真剣に向き合い、本当は、どう育てられるべきだったのか、自身の眼前の子育てのあり方の是非を再考することが大切です。 子供の立場に自分をおいて、改めて、克服すべきであった課題を克服し直すことが重要です。親として、人間として、子供と一緒に成長してほしいと思います。いきなり、初めから立派な親である必要はなく、子育を通して、これまでの人生を見直し、親になって行くことが大切です。


「親になるのは簡単でも、親であることは難しい」と言われるのは、このあたりの事情です。親が子供を育てるという一方的な関係ではありえません。

子育て子育ちの過程には、親育ち人育ちの過程が同時に存在することを意識している必要があります。

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操南ファミリークリニック
■この記事の作者
医)操南ファミリークリニック横山俊之 院長
医学博士/日本小児科学会専門医/日本小児感染症学会会員
日本臨床ウイルス学会会員/国際サイトカイン会議会員


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